“アンサンブル・フォウ・ユウ第17回 定期演奏会
団からのごあいさつ~コロナ感染渦を乗り越えて”
西洋古典音楽愛好者の間で比較的よく知られている名曲の中に、ムソルグスキー作曲ラヴェル編曲の「展覧会の絵」という作品があります。
展覧会場に展示された数々の絵画のモチーフをテーマに作曲者がインスピレーションを得て楽曲にしたものですが、その終曲が「キエフの大門」という壮麗な楽曲です。今でもキエフ(最近の報道ではキーウですが)の大門が実在しているかどうかは解りませんが、もし存在するのであれば、理不尽な破壊活動の犠牲とならぬことをただ祈るばかりです。
これは敵の姿が目に見える戦いの話です。
よりやっかいなのは、確実に存在はするものの姿形が目に見えない敵との戦いです。
われわれは西洋古典音楽を演奏する団体ですが、その練習をどうやるかというと、密閉されたリハーサル室内で、モールを形成し、緊密に音と会話をからめ合うことすなわち三密が練習成立の必須条件のため、コロナウイルス感染対策にとっては危険な活動という位置づけをされがちです。
第17回定期演奏会は、本来であれば2年前の5月に開催すべく準備を進めて参りましたが、コロナ感染拡大防止対策のため練習が出来ず、2度の開催延期を余儀なくされました。本日初めて登壇した団員の中にはコンサートホールで演奏出来る日待ちわびていた者もおり、きっと今日はとても晴れがましい表情で張りきって演奏することでしょう。
200年いやもっと以前から存在する西洋古典音楽が今日まで伝承されるためには、偉大なる作曲家の存在し、その作品を代々演奏し続けたオーケストラが実在し、その演奏活動を現代においても受け継いで実践するプロや我々のようなアマチュアオーケストラが存在すること、それに加えて本日ご来場の皆様方のように音楽をこよなく愛する聴衆の存在があってこそ可能となるのです。
目に見えぬ敵との戦いは今後しばらくの間続きそうですが、私たちは決して音楽活動の歩みを止めるつもりはありません。なにとぞ、今後ともわれわれの活動を暖かく見守っていただければ幸いです。
本日はご多忙の中、ご来場いただき誠にありがとうございました。
アンサンブル・フォウ・ユウ 事務局長 vn 松本 操
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